パパのお金の囚われ歴史
先日、買い物・借金・浪費依存症の自助Gへ参加した時のこと。
夫婦だけれど、お互いあくまで一個人として参加していたのだが、分かち合いの中で今まで知らなかったパパのお金に対する囚われを聞くことが出来た。
パパの原家族のお話。
パパのお家は母子家庭だった。
義母と1歳違いの年子の妹とパパの3人家族。
義父とはパパの幼児期に離婚している。
離婚の原因は、度重なる不可解なお金の問題と、義母に対するストーカーまがいの行動だったらしい。
最終的に、身内からお金を騙し取っていたことが発覚したことが決め手となって離婚したとのこと。
(何かしらの依存症だったのではないかと思う)
その離婚の理由をパパは最近まで知らなかった。
幼い頃のパパは、家庭内で「どうしてお父さんがいないのか?」は聞いてはいけない雰囲気を感じていて、家庭内で『父親』という存在はないものとして扱われていると感じていたらしい。
父親が欲しい気持ちはずーっとあったけれど、そんなこと言ってはいけないと思い続けていたとのこと。
義母は仕事で忙しくて帰って来られない日もあったらしく、市内に住む祖父母の家に行っていたと話していた。
週末に家族でお出かけしたことも、旅行に行ったこともなかったと言っていた。
そして、子供ながらに
『うちは貧乏だ』
と、感じていたらしい。
小、中、高校生と学生生活の間は、サッカーやバスケ、バンドにアルバイトと休む暇なく夢中になっていた。
お小遣いがもらえず、小、中学生の頃は友達が自分のお小遣いで欲しいものを買っているのを羨ましく思っていたと話していた。
以前のブログにも、高校生になってアルバイトを頑張って月に12万円稼ぎ、自分のお小遣いとして全て使っていた話は書いていたのだが、その時の気持ちを
『ライブを一緒にやっている、何組かのバンドのメンバー全員にご飯を奢ったり、会場にかかる費用を自分が出すことが、すごく気分が良かった』
と、言っていた。
その後、高校を卒業して憧れの競馬関係の仕事に就き今に至る訳だが、仕事を始めてから先輩達の影響で、それまで全く興味のなかったパチンコ屋に日常的に出入りするようになる。
最初は大負けしたらしい。
そこで悔しくて、パチンコやスロットについて勉強して勝てるようになっていき、1年で140万の貯金?を作る。
そして入社して1年半位の時に、私と出会って今度は"恋愛依存"を発症して、パチンコやスロットはピッタリと辞めて、ご飯を奢ったり、遊びに行くことに、給料以上のお金を使っていたらしい。
(私は何も知らずに、若いのに給料が良い人なんだと思っていた)
そして、どんどんそのパチンコやスロットで作ったお金も減っていき、結婚して家を借りるとなった頃にちょうど底をついたと言っていた。
その後は私も知っている通り。
何事も正直に話せないパパは、確かに結婚直前様子がおかしかった。
出会ってから10年経った今感じるのは、消費者金融から借金をしている時のような表情をあの時もしていたなぁと思う。
でもその頃は、パパが見栄っ張りなことも、自分の気持ちを言えない人だと言うこともまだ私もわかっていなかった。
(よく喋るし、明るいし、バカがつくくらい正直者に見えるので)
結婚して、お給料を預かってみてビックリした私は長女を出産後2ヶ月で、家計を立て直すために仕事復帰をしたのだが、
ちょうどその頃からパパの使い込みが始まり、長男の入園費用18万は「路上でスリにあった」と言われて不可解に消えていった。
そのことを発端にして、その後は延々とあらゆる手段でお金を手に入れては、ギャンブル、買い物、浪費を繰り返して借金を膨らませていった。
やはり『お金を使う瞬間』は、ドーパミンが出るような感覚になるらしい。
その後、そのお金を取り戻そうとしてするギャンブルは全然楽しくないとのこと。
でもお金を取り戻す手段はギャンブルしかないとの発想になる様子。
とにかく聞いていたら、日々の生活、人生でのお金の囚われが本当に強いんだなぁと感じる。
最近も車購入を機に「節約しよう!」とか言っていたけれど、パパの場合はその気持ちが囚われになってどんどん自分を追い詰めているように思う。
今までは「節約しよう!」の言葉が出たら
『あぁ、パパは家計のこと考えてくれてるんだな。私も頑張ろう!』
とか考えていたが、最近はそのパパの発言が強迫的に思えて心配になる。
自分で言ったことや、決めたことで自分を追い詰めてしまうところがあるから。
私は「やる!」と決めたら『やる!』の単純思考で、そこが私とパパの全く違うところ。
どこか自分の考え=パパも一緒の考えと捉えていたことが、今までパパが強迫的に囚われてしまうということにがつかなかった要因だと感じた。
つい自分の考えと人の考えを一緒にしてしまうのが私の至らない点だと思う。
私の場合「やるぞー!頑張ろー!」と、言葉と行動が連動していくところ、パパは「やるぞー!やるぞー!」と、人一倍言いながらもどんどん囚われのドツボに嵌っていく感じ。
少しずつでもパパが自分の囚われの原因を探っていけたら良いなぁと思いながら、この人はまだまだ底つきはしないんだろうなぁと思って見ている。