パパはギャンブル依存症

依存症者を抱える家族の話

パパのギャンブル依存症の末期症状-うつ、自殺願望、妄想-

今回はパパがギャンブル依存症の末期状態の頃の話をしたいと思います。

 

ギャンブル依存症の本人は、側から見ていた私たちが想像するよりもずっと苦しかったことと思いますが、その苦しみはどうしても本人にしかわからない部分なので、今回はあくまで家族目線で見た状態や、それによって家族が受けた被害を書いていきます。

 

渦中にいた時は、私もギャンブル依存症について無知だったので、変わっていくパパの姿が全然理解出来なかったことも、今となっては「あぁ!あれはギャンブル依存症の症状だったんだ!」とか「もしかしてあれも!?」と思うことが多々あるのです。

 

パパの依存症の末期症状は、消費者金融への借り入れが200万出てきた時と、その約2年後に340万出てきた時に如実に現れていた。

 

①うつと自殺願望

②精神分裂的な妄想

 

①は200万に膨れ上がった借入れで、それ以上借りられなくなった頃に現れた。

 

いつもと同じ仕事をしているはずなのに、帰宅したらやたらと疲れていて、こちらが心配になるくらいうなだれて「疲れてるんだよ。。」と地面を見つめてよく言っていた。

 

行動の特徴としては、普段ならなんなくこなすような日常のことすらもしょっちゅう忘れてしまったり。小さい不注意も尋常じゃないレベルで起こっていた。

 

何も知らない私は、そのパパの日常的な不注意から起こる被害に日々イライラさせられてたことを覚えてる。

 

何度言っても伝わらない、聞いていない、響かない。

 

誰もが当たり前にこなせることすらままならないことが理解不能で、私は不信感ばかりが募っていた。

 

パパ曰く、その頃は自殺願望もあり、どうしたら交通事故に見せかけて死ねるかばかり考えていたらしいです。

 

②はその約2年後に340万の借入れがあり、もうその先は借りられるあてが闇金しか無くなっていた頃に現れた。

 

当時パパが現実逃避から浮気に走っていたのですが、その相手の女性に入れていたメールから発覚した。

 

その期間、私に送ったメールと浮気相手に送ったメールの内容が別人格レベルで違っていたことと、浮気相手へ送っていた内容が現実にはないことばかり。

 

借金が発覚する直前の1番ピークに酷かった浮気相手へ送ったメールでは、私は虐待で警察に捕まったことになっていた。

 

浮気相手にそのメールが送られた日、私は普通に家で過ごしていましたが。

 

その数々のメールが発覚した当初は、突然借金がバーンと私の目の前に現れたところで、まだ精神福祉保健センターにも繋がっておらず、ギャンブル依存症の診断を受ける前。

 

もちろん私もパパがギャンブル依存症という病気だとは知らず、その数々のメールを見た時は、あまりの妄想や虚言ぷりに、本気で精神分裂か人格障害か多重人格なんだと思った。

 

パパは全てのメールを消していたので、浮気相手に協力してもらい、数々のメールを見せてもらい、同日に送られて来た私へのメールも浮気相手の子に見せましたがお互い唖然。。て感じ。

 

当時、怪我をして自宅から車で1時間かかる病院に入院していたパパを毎日のようにお見舞いに行っていた私に、パパが「自分が退院したら1日子供達を見てるから好きなアーティストのコンサートに行ってきていいよ!」という提案をしてくれていて、それでも私は主婦特有『そうは言ってくれても、なんとなく申し訳ないなぁ』という気持ちが拭えなくて、その日の夜に。。

 

私「本当に行ってもいいの?」

パ「○○ちゃん♡頑張ってくれからご褒美だよ♡」(基本的にベタベタなくらい仲良し夫婦)

 

というやりとりをしていた。

 

 

 

が!!

 

 

 

コンサート当日。。

 

私「いってきます!本当にありがとう♡」

パ「楽しんで来てね♡」

 

と、やりとりをしていたはずなのに、浮気相手には

 

パ「嫁が全てを押し付けて、自分勝手に消えやがった!」

 

と、事実とかけ離れた内容のメールを送っていた。

 

浮気相手に送っていた数々のメールの中にいる嫁は、私でもなんでもない架空の人物。

 

借金が膨らんで追い詰められれば追い詰められるほど、メール内の嫁もパパを追い詰めて虐げていく。

 

ギャンブル依存症と借金で追い詰められて苦しい気持ちを、何も知らず家でパパの帰りを待ってる嫁や子供達にはぶつけることが出来ず、

 

自分の過去を何も知らない浮気相手に「借金」への不安や不満を「嫁」という言葉に変えて吐き出して、同情を買って一時的な気持ちの安らぎを得ていたらしいですが。

 

今となってはギャンブル依存症者が併発する症状についての知識もあるので、この時の言動に不思議はないけれど、

 

このピークに酷かった時のパパの言動によって、私と子供達が警察に呼ばれるという、とてもとても迷惑なこともあった。

 

私も子供達もパパの虚言によって、何が起こっているのかわからないまま、言われるままに近くの警察署に出向き、何がなんだかわからないから、子供達は怖くて泣いてるし、私も気丈に振る舞ってはいたけれど、頭の中は大混乱。

 

小2の長女はパパがおかしいことに気がついていたので、泣きながら「なんでうちらが行かなきゃ行けないの!パパが行けばいいじゃん!」と言っていた。

 

小5の長男は混乱している下の子達の手前、気丈に振る舞ってくれていた。

 

年長の次女は怯えきっていて、今でもふとその時の話をする。

 

私はこの時、まだパパがギャンブル依存症とは知らなかったのだが、結婚以来の出来事を一通り警察の方に説明して、そのあとは警察の方が役所に回してくれて、また役所でじっくり話を聞いてもらうことが出来て、母子を保護してくれるシェルターがあるということや、離婚した場合の母子家庭のイメージを掴むことが出来た。

 

パパの多額の借金は、私にとっては本当にある日突然降ってくる。

 

なので、もちろん発覚する前日まで何も知らずに離婚なんて言葉とは無縁に家族仲良く過ごしている。

 

それなのに急に現実として離婚を選択するべきなんじゃないかと思わされる事件が巻き起こり、頭の中は大混乱に陥る。

 

離婚なんてしたくないのに、仲良く暮らしてたはずなのに、離婚を迫られているようなそんな感覚。

 

パパの妄想や幻覚?から始まったこの事件は本当に辛かったけれど、まだギャンブル依存症とわかる前で自助グループにも繋がっていなかった時なので、初めて友達以外の人にパパとの話をする機会を得て、親身に話を聞いてくれた警察の方や役所の方には本当に感謝だった。

 

今思えば、ギャンブル依存症と知らない状態だったので、警察や役所の人達からしたらパパは「借金を繰り返す父親としてダメな人間」で止まっているかも知れない。

 

もし今後機会があれば、あの言動はギャンブル依存症の症状だったことをキチンとお伝えしようと思う。

 

そしてギャンブル依存症が原因の自殺者や犯罪者が1人でも減るように、誰かに話をする機会がある時は、正しい知識を伝えていけるように意識しよう。